質問あれこれ
下記の件、ご回答のほど、よろしくお願いいたします。
1.御社のエステル系エンジンオイルとの事ですが、
さまざまなエステル基材があると思います。
ジ・エステル
ネオポリオール・エステル
ネオポリオール・コ・エステル
コンプレックス・エステル
どれに属するのでしょうか。
2.HONDA純正化学合成オイル(PAO系)と比較して、
・御社のオイルは、どのように長けているのでしょうか。
・シール剤・樹脂部品などに対し、どの程度の侵食性に
差があるのでしょうか。
3.MA・MBのともに適合されているとの事ですが、
私個人の感覚として、
MB・・・低摩擦特性に優れるオイル
MA・・・高せん断安定性に優れるオイルと考えているので、MB指定にMAを入れると、フリクションの増加となり、エンジン内部部品の偏磨耗やその他異常をきたす事になってしまわないのでしょうか。
4.他社の製品も含んだ質問で恐縮ですが、オイル添加剤として、スーパーゾイルというものがあります。
御社のオイルに対して添加しているユーザも多くいると思うのですが、添加剤を入れたことで変化したとか質問はあったでしょうか。
以上です。1.エステル其
弊社のエステル其油はコンプレックスエステルとポリオールエステルを併用しています。2.純正化学合成油(PAO主剤)と比較して、潤滑性、耐熱性、酸化安定性、極圧性に長けています。
PAOの特徴であるゴムの収縮性(シュリンク性)をエステルを用いてエステルの持つゴム類の膨潤性をバランスさせている為、ゴム類、シール類、樹脂類の劣化を抑制します。
エステルを用いる事で金属摺動面の潤滑性及び浸透性を向上させて極圧性を向上させます。
又、弊社が採用しているコンプレックスエステルはエステルが持つ加水分解性を抑制し耐酸化性に優れた性能を有します。3.通常のMB規格の油脂類は主にモリブデン類(有機モリブデンを含む)を採用して低摩擦性を確保していますが、モリブデン類は走行距離を重ねるごとに酸化によって油中に硫化物を形成し、油中のカーボンやスラッジの炭化物と硫化物が結合してより大きなカーボンやスラッジの遊離物となり、金属摺動面の攻撃性を増長することになります。
特に硫化物は長期に使用すると銅系の素材を侵食、酸化させますので、バルブガイドやバルブシート、ピストンリング等に用いている銅系の合金を侵食、磨耗させる要因となります。
弊社オイルはその様な弊害を極力回避させる為、エステル成分や特殊添加成分を使用することで有機モリブデンの添加量を最低限に抑えて、潤滑性や低摩擦特性に優れたオイル特性を確保しています。
又、これによって高せん断安定性に優れたMA規格も確保いたしました。
従いまして、MB規格仕様推奨のエンジンにご使用いただいても、フリクションを増加させる事なくエンジン内部の偏磨耗やその他異常を発生させる事はござ いません。4.他社様の添加剤との併用によっての変化などにつきましては申し訳ございませんが、コメントを差し控えさせていただきます。
他社様の添加剤の併用はオイル性状のバランスを崩す事がございますので注意して、ご使用の程よろしくお願い申し上げます。
特に、塩素系の添加剤を長期にご使用になりますと金属摺動面を磨耗させる原因になる事がございますので、充分ご注意下さい。